忘備録として2020年の年間ベスト作品を挙げておきます。
inoppie's Choice 2020
No. 1 メルフ
わずか12手番の中量級なのに重ゲーを遊んだようなプレイ感。初見では若干の見通しが悪い分,リプレイ欲が掻き立てられる気がする。
キャラバンカード戦法が強すぎるという意見もあるが,影響力トラックを進めておかなければカードの種類を増やせないし,場の並びによっては欲しいカードを集めるのが困難なので,ゲームバランスが崩れる程ではなさそう。
どの建設現場に建物を建てるかによって,他のプレイヤーの選択肢に影響を及ぼすインタラクションの付け方が素晴らしく,重要な役割を果たすラクダの獲得と使用のタイミングが悩ましくも楽しい。とにかく繰り返し遊びたいゲーム。
No. 2 パリ
同じ地区ばかりに鍵を置きづらいシステムでガチガチのエリアマジョリティを上手く回避している。エリアマジョリティ,ボーナスタイル,ランドマークを建てた際の名誉ボーナスなど,どの得点源も早い者勝ちなので,他のプレイヤーの動向をよく見ておかなければならない。
初心者もゲーマーも楽しめる間口の広さと豪華なコンポーネントは秀逸だが,しっかり計画を立てておかないと終盤にできることが限られてしまう部分で評価が分かれそうではある。
No. 3 クリプティッド
「未確認生物の生息地を推理」というテーマの再現性は弱いが,システムの完成度は驚くほど高い。他のプレイヤーと一緒に悩むのが楽しく,小学3年生くらいから十分楽しめると思う。
文献が大きすぎる,クマの縄張りが見づらい等の不満点は工夫次第で解消できるレベルだし,一家に1つあってもいいくらいのファミリーゲームの新定番になりうるポテンシャルを秘めている。
通常ゲームと上級ルールの中間的な難易度で遊べるような続編が出ないかなぁ。